不動産広告の読み方
週末にもなると、山のように不動産の折込広告が新聞に入ってきます。お洒落な家具で飾られたきれいなモデルルームの写真やタレントを起用したイメージ重視の広告です。しかし、その豪華な広告の費用は、当然マンションの販売価格に含まれているのです。
もちろん素敵なライフスタイルを送ることを夢見てマンションを購入することは悪くないのですが、重要な部分は実は裏面の隅のほうに虫眼鏡で見ないと分からないような<物件概要> <融資に関する事項> などの部分です。
イメージ写真やパースでは緑多い閑静な住環境のように見えても、実は用途地域が「準工業地域」で、周りには工場がたくさん建っている場合もあります。物件によっては、総戸数・販売戸数の関係からマンションの売れ行きを知ることができます。
<融資に関する事項>にも多くの情報が載っています。
「頭金0円より 月々○万円のお支払いから」と、よく広告に記載されていますが、その支払い額の条件については、
2.35年ローン
3.2年固定などの短期固定型で優遇金利を利用して計算した(年利1%程度)場合の当初の支払い額
4.管理費、修繕積立金を含まない
以上の内容が前提になっていることが非常に多いので、実際の月々の支払い額はいくらになるのかをきちんと把握することが重要です。
郵便ポストに投げ込まれている投函チラシでは<物件概要>を書いていないものもあります。
「早い者勝ち!」
「激安! 今がチャンス!」
なんて書かれたものは、違法です。
公正取引委員会により、
<不動産業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約>なるものが定められていて、
「チャンス」 「絶対」 「最高」 「抜群」 「特選」 「掘り出し物」 「激安」
なんていう表現を使ってはいけません。
また、「目玉住戸」といって一番安い部屋を周りの住戸と比べるとずっと割安にして広告に掲載し、お客を集める手法。電話をすると、「あります」といっておきながら、モデルルームに行くと「たった今決まってしまったんですよ~」なんて言われたりする。ことによってはこれも違法になります。
第14条 事業者は、次の各号の一に該当する表示をしてはならない。
(1)実際には存在しない不動産について、取引できると誤認されるおそれのある表示
(2)実際には取引する意思がないと認められる不動産について、取引できると誤認されるおそれのある表示
(3)実際には取引できない不動産について、取引できると誤認されるおそれのある表示
他にも、電柱に貼られている「捨て看板」「電ビラ」と呼ばれるもの。あれも条例で定められていて、届出がない場合はれっきとした犯罪です。警察に捕まります。
いろいろなケースや注意点がありますが、まずは、広告に詳細な<物件概要>や説明がないものはダメ。<物件概要>などは文字がとても小さいですが、必ず全部読むことが大切です。