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大手だから安心?

住宅を購入する際の信用度として、TVコマーシャルなどで見られる会社は絶対安心できると錯覚してしまいがちです。各社企業イメージアップにかける広告費は相当な金額が使われています。

しかし、最近では大企業の不祥事がマスコミで騒がれているのも事実です。情報化社会により情報開示が進むにつれ、「あの企業がこんな事をしていたのか」というような事件をよく目にするようになりました。ホームページでも公開されています。

この業界でも、名前の通った企業のとんでもない姿をたくさん見てきました。誰でも知っているあの会社。一応、○○不動産販売って子会社が販売代理になっている名刺をもらったけれど、どう見てもこの人派遣社員っぽい。後々聞いてみたら、○○不動産販売の人は30人いる営業のなかで2人だけだということ。こういうケースは最近とても多いです。

「当社は株式公開している会社ですので安心です」なんて聞くと、「そんな事でだまされるか!」と言いたくなります。株式公開すると、株価ばかりに気をとられて「増収」「増益」を数字的に作らなければならなくなります。

株式公開しているデベロッパーのお偉いさんから、「今期に売上がたつ物件が足りないので、売れ残ってて安く買い取りできる物件ない?」(会計上、売買契約だけではなく、引き渡しができて初めて売上が計上されるので、なるべく完成している物件がよい)なんていう話もあるそうです。

その逆に、年度末が差し迫ってくると 「3月末までに決済してくれる買い取り業者いない?」(引渡しができて売上が計上できる&完成在庫なしにできる)という事も。

マンションの場合、売り出される物件の取得経緯として、おおむね以下のケースとなります。

① 自社で用地を仕入れて、自社企画の設計で販売する。

② 最初から他社の企画が入っており、建築前もしくはすでに建築途中の物件を丸ごといくらで買って販売する。

③ 他社が企画して販売していた物件を買い取り、買い取った企業の名前で販売する。

その他にも色々なケースがありますが、ここでは代表的な例としてこのくらいにしておきます。①が通常のケースではありますが、問題なのは、②③のケース。名前のある会社がこれをやっているとすれば、売上高などの数字合わせの何ものでもないということです。他社のプランをそのまま自社で販売するなんて、会社案内に書いてある大層な“企業理念”はどこに行ってしまったのでしょうか?(①なら絶対大丈夫というわけではありませんが)

また、自社で土地を購入できないような小規模な会社は、<専有買い>といってマンション丸々一棟を手付金で1千万円位支払い、残りの代金を建物完成の数ヶ月後に支払う方法で<売主>として販売している場合があります。

完成前であれば、土地の所有者と売主が違っている場合はほぼこのケースです。一概にこのケースはすべてダメということではありませんが、資金的に問題があったり、完成時に売れ残りが多い場合、最悪引渡しを受けられないような可能性もあるという認識をもっておかなければなりません。

その他にも、<売主>○○株式会社 <事業主>□□株式会社 という何だかよく分からないケースを見かけますが、どういう関係でそうなっているのか、また、責任の所在はどこにあるのかなどを充分確認する必要があります。


ホームドクター株式会社