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管理規約の変更【ペット飼育禁止は有効か?】

ペット禁止へ管理規約を変更?

管理規約を改正するには、集会において区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数の決議が必要です。また、その改正が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすときは、その承諾を得なければなりません。

では、ペット飼育を禁止する規約を制定する場合、現にペットを飼育している区分所有者に対し特別の影響を及ぼすとして、その承諾は必要でしょうか?

結論として、必要はありません。
心情的には、ペットを家族同然に扱っている人もおり、飼い主に特別の影響があるようにも思われますが、現在までの判例上、特別の影響には該当しないとされています。

したがって、集会において区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数決議があれば、ペット飼育禁止の規約は有効となります。

ペット飼育

 

区分所有法によって定められる

ペットの飼育が区分所有法第31条1項にいう”特別の影響”に該当しない理由として、

  1. 区分所有法第31条1項の「一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすとき」とは、「規約の設定・変更等の必要性及び合理性と、これより受ける当該区分所有者の不利益とを比較衡量して、当該区分所有者が受任すべき限度を超える不利益を受ける」場合をいうと解されていること。
  2. ペットの糞尿による汚損や臭気、病気の伝染や衛生上の問題、鳴き声による騒音、咬傷事故などの有形の影響の他、行動・生態自体が他の居住者に対して不快感を生じさせるなどの無形の影響を与える可能性があること。
    ※具体的な被害が発生していないという抗弁は許されない。なぜなら、被害の程度は非常に相対的なものであり、且つ無形の影響を考慮すると、被害の有無を問題とすることが現実的でないため。
  3. 盲導犬のように動物の存在が飼い主の日常生活・生存に不可欠な意味を有する特段の事情がある場合をのぞき、動物の飼育は飼い主の生活を豊かにする意味はあるとしても、日常生活・生存に不可欠なものではないこと。

ペット飼育禁止の不利益に関しては、全区分所有者に平等に及ぶものであるため、現に飼育している者だけが特別に被る不利益ではないこと。

以上の理由等により、現にペットを飼育する区分所有者の受ける不利益は、社会生活上受認すべき限度を超えていないとして、”特別の影響”に該当せず、その承諾は不要と判示されています。

 

参考マンションの管理規約を改正して住みやすい環境へ

 

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